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Nago Mitill
たぶん 僕は自分を、 何かに押し込めているんだ。
それは とても小さな箱で、 何故だか窓もない。
僕は そこで、 昔見た美しい景色を思い出そうとしている。
いつも そうしている。
高い空の青、 淡い風の匂い、
すべては変わり、 僕のもとから消えてしまった。
僕の心が変えてしまった。
失くしてしまった鮮やかな青、 鈍い灰色の壁の向こう、
恋焦がれて懐かしい歌、 口ずさみ、
膝を抱えて、 ひとり、 うずくまっている。
いつか 頬を撫でる風を 肌に感じて、
理由もなく赤い血が体を駆け、 走り出したくなる、
そんな日が来ること、 諦め切れないから、
僕は ここにいる、 まだ 空を探している。
声高に語れるような 立派な夢がなければ、
記録に残るような 優れた形がなければ、
人は生きていけないのか? 生きていては いけないのか?
たぶん 青い空は いつでも僕の上にあって、
風は 今もずっと僕のそばを吹いているのだろう。
本当は 気付き始めているんだ。
日々を ただ自然に、 懸命に生きることのほうが、 ずっと大切で、
そして、 それは とても 楽しいことなのだろう、
空のように 風のように。
たぶん 僕は自分を、 何かに押し込めているんだ。
そして、 僕はまだ ひとり、 空を探している。
(2008年・筆)
Nago Mitill
春が来たら、 花が咲いたら、
僕は、 あなたを忘れよう。
白い白い光の 花びら散る空の向こうへ、
抱え続けた あなたの面影、
さよなら。
道が分かれ、 この手が離れた その日から、
あなたを忘れようとして、 忘れようとして、
心のどこか、 本当は 追いかけ続けてきた。
失くしたもの、 もう取り戻せないもの、
叫び出しそうな激情、 思い出に変わるのを ただ待ってた。
冷たい傷跡が グッサリ残ってること、
遠くなる記憶のなかに 溶かし込めていないこと、
分かっているのに捨てられなかった、 あなたの「さよなら」
白い花が、 白い花びらたちが、 忘れさせてくれる、
今なら、 この季節なら、
雲間の向こうに、 新しい光が見える。
春が来たから、 花が咲いたから、
僕は、 あなたを忘れよう。
白い白い春の光の 桜舞い散る空の向こうへ、
抱え続けた あなたの微笑み、
さよなら。
(2008年・筆)
Nago Mitill
伝えることが 私たちの使命なのだから、
この船が次の時代へ届く、
その日まで生き延びろと、 あなたは言った。
私たちは 共に言葉を紡ぐ。
受け継いだものを、 この手で辿り、 守りながら、
その先に 今、 新しいものを紡いでいく。
来たれ、 未来の継承者たち、
記憶を受け継ぎ、 この船を更なる未来へと送ろう。
すべての紡ぎ手たちの、 それが願い、 私の祈り。
伝えた後は ただ朽ちて消え行くだけの自分なのだと、
悟った若かりし日は、 むなしさで孤独を感じていた。
でも今は違う、 孤独を消すために言葉を紡ぐ。
この船は、私たちを 遠い遠い未来――願わくば永遠へと、繋ぐものだから。
私の声も心も、 この文字には残らないけれど、
それでも あるだけの思いを込めて、 祈りを込めて、 言葉を紡ごう。
私が紡いだ記憶に、 いつか誰かが触れる。
そんな遠い未来に、 涙が出そうになる。
いつか、 この偉大なる船が 未来への航海に発つ、
それを見届けて 私たちの使命は終わる。
はかない紡ぎ手たちの思いは、 私の思いは、 どこまで届くだろう?
わからない…
来たれ、 記憶の継承者たち。
祈りを受け継ぎ、 この船を遥かな未来へと送ろう。
過去から今、 そして今から続く 新しい明日を、 共に紡ごう。
(2008年・筆)
Nago Mitill
今、 おまえに 「がんばれ」 なんて他人行儀に言われたら、
僕は、 きっと もう 心が折れてしまうよ。
つらくて、 苦しくて、 悲しいもの、 僕は胸に ずっと溜め込んでる。
言葉にできない黒い衝動に、 内側からバリバリ食われながら、
強い恐怖に強張った指の冷たさ、 感じて独り震えている。
それでも 抗ってる、 生きてる、 生きてさえいれば どうにかなる。
そう思って、 僕も おまえも生きてるんだろう?
馬鹿なこと言って、 おまえは僕を けなしてくれるだろう。
「しょうがない奴だな」 と笑って、 そこにいてくれるだけでいい。
ああ、そしたら 僕は、
この恐怖が 僕だけのものじゃないってこと、
きっと 分かるんだろう。
強く生きるには弱さは敵だ、 弱みを見せたら そこで負けだ。
どこかで僕らは そう信じ、 独りきりで生きること 覚悟してきた。
大人になってしまった その日から、
無邪気な安らぎは どこにもなくなったんだ。
でも、おまえも そうなんだろ? ハタで見てるほど、完璧じゃないんだろ?
口に出さないだけで、 お互い弱いモノ抱えてること知ってる。
その共犯者のような目が、 本当は僕を境界で支えてる。
僕は独りじゃないと思える、 普通の人間のままでいられる。
僕らは共犯者だから、 だから 生きていける、 これからも。
(2008年・筆)
Nago Mitill
ほそくほそく、 それでも繋がっているのなら、 あなたと。
心のどこか、 触れ合っている魂の音色、
耳傾けて、 穏やかな声で 私の名を呼んで。
「世界のキレイなもの 全部集めたら 空の色になる」
悲しい記憶ばかり、 人は胸に深く刻むけれど、
同じだけあるはずの優しい思い出、 私は心にとめていきます。
すべてのものをあわせたら、 それは空の色になるのでしょう。
泥のなかで見つける 美しい小石のように、
小さな驚きと優しさで、 それは いつも 私を支える希望になる。
本当に大切なものは、 あなたの奥に、 私の奥に。
私を孤独にするものは… 私のなかに、 あるのです。
他人のなかに「私」を探しては、 「自分」が見つからないと嘆いていた私。
怖くても 逃げずに自分を見つめなければならないこと、
気付いたのは、 あなたと別れ、 ひとり 空を見上げてから。
生きていきます私は、 あなたではない、 ただ一人の私として。
この胸にある、 あたたかな命と魂、
それだけが、 この世界で唯一 私だけのもの、 私のもの、 私を成すもの。
ひとり 空見上げ、 耳澄ませば聞こえるのです、 あなたの声が。
「僕らの魂を重ねたら きっと空の色になる」
私を呼ぶ あなたの魂の声は、 こんなにも 私の胸を あたためるのに…
なぜなのでしょう、 空の青が淡くにじんで、
今、 あふれ流れる涙が とまらないのです。
(2008年・筆)
Nago Mitill
いつが あなたとの永遠の別れになったのか
僕は もう 思い出せない
さよなら さよなら
二度と会えぬ人よ
僕は あなたを忘れない
数え切れないほどの人々と
僕は 出会い 言葉を交わし そして 別れてきた
眠れない夜は 夜明けまで数えている
もう二度と会えない あなたのことを
出会えば いつかは必ず別れる
それが すぐか もっと長いか それだけの違いなのだと
気付いた時 僕は胸が一杯になった
この世界には別れが多すぎて
僕は 時々 もう 出会うことさえ怖くなってしまう
でも 本当に怖いのは あなたに出会えないこと
出会えた あなたを 忘れてしまうこと
さよなら さよなら
僕は 別れを恐れはしない
そして あなたを忘れない
あなたは きっと 覚えていないだろう
街角で 駅で コンビニで ネットで… 出会った僕のことを
二度と会えぬ あなたを 僕は その笑顔で覚えているから
誰かの心の片隅に 笑顔のような存在で残れるような
そんな人で僕はありたい 一瞬の邂逅を大切に生きたい
さよなら さよなら
二度と会えぬ人よ
僕は あなたを忘れない
(2008年・筆)
Nago Mitill
どんな祈りも届かないような、 暗い汚泥の底で 僕ら生きてるんだ。
生きるのに必要も無いのに、 翼を欲しがって、 「空へ羽ばたきたい」なんて願ってる。
地上に無いもの探して空を見上げていても、 それは ただの憧れ、 憧れという名の逃避。
つらい事一つで たやすく浮き沈みする曖昧な僕を、僕は嫌ったまま、好きになれないまま…
苛立ちを社会に向けても、 自分に苛立っても、
世界が ある日 変わるわけじゃない、一人きりの舞台は空回り、何だか ひどく むなしい。
諦めを知れば人生は逆に平和で、 手ごたえも無く心は廃墟、
忘れたつもりで押し込んだ情熱へ、 黒く冷たい炎、 黙ってずっと注いでいる。
ああ、 本当に欲しいものは、 苦しくても叫んでいなければ、 きっと見失ってしまうのだろう。
作り笑いのうまい清潔な笑顔よりも、 熱い鼓動で ただ強く僕を呼んで。
全部、 今 ここに捨てて行きたいんだ、 思いつくだけ嫌なこと すべて。
自分の中の嫌な部分、 ジメジメ燻ぶる黒い塊、
さっぱり何処かへ放り投げるため、 この街一番の空を見に行こう。
さあ、 迷いを捨てたら全力で駆け上がれ、 その壁の向こう側まで。
ああ、 本当に欲しいものは、 苦しんでも叫んでいなければ、 きっと見失ってしまうんだ。
圧倒的な胸の鼓動で、 生きている、 そんな実感を僕に与えて。
空から ここが見えるかい? 馬鹿なことしてる小さな僕が見えるかい?
翼なんてない、 空など飛べない、 ただの僕が、
それでも、 ここに立って叫んでる、 生きているのが見えるかい?
どんな願いも叶わないような、 遠い空の底で 僕ら生きているけれど、
でも、そう、生きていれば、僕らここから駆け出して、未来の何処へでも行ける…自分の足で。
空に夢追う翼など、 だから僕はいらない。
自分の中の嫌な部分、 ジメジメ燻ぶる黒い塊、
この街一番の青い空の彼方へ、 さっぱり放り捨てて、 さあ 走り出そう。
翼なんてなくても、 僕らは生きて行けるんだ。
(2007年・筆)
Nago Mitill
夢をみていた場所に、 帰りたくなる。
きっと、 そこが 僕の "hometown"
繰り返す冷めた日常で見失ってしまった、 あの日の風、
僕に思い出させてくれる、 約束の場所。
都会の霞んだ夜空へ、 見えない星を追うように、
つかめない未来が不安で、 誰かに答え委ねたくなる。
だけど、 誰が何を占おうと、 僕は納得できないのだろう。
どんな夢をみて、 ここまで生きてきたのか、
一番 知っているのは、 僕自身のはずだ。
疲れた時は いつも、 帰りたくなる。
未来を夢みていた、 あの場所へ。
すべてが輝いていたわけではなく、 あの頃は あの頃なりに悩んでいた。
懸命に、 生きてた。
分かったんだ。 今を精一杯 生きていれば、 未来の自分は 僕を責めたりしない。
今の僕は、 あの頃の僕を 責めはしない。
どんな夢をみて、 追いかけ、 たとえ それが叶わなくても、
大切な人たちと共に、 穏やかに生きる事できれば、 それで十分 幸せなのだと、
臆病な僕は、 心の底では そう夢みていたのだ、 本当は。
駄目な自分に打ちひしがれ、 弱さに涙して、
それでも生きられる、 生きていこうと自分に約束した日、
校舎のフェンス越し、 涙で霞んだ空はキレイな青、
頬を冷やす風は、 懐かしい匂いがした。
都会の霞んだ夜空で、 目指すべき星を見失っても、
夢をみていた場所を、 忘れはしない。
あの日の風が、 僕を導く。
きっと、 そこが 僕の "hometown"
(2007年・筆)
Nago Mitill
いつか この星で この国で、
季節が巡らなくなる、 そんな時が来れば きっと、
あなたのことを もう、 思い出さなくなるのだろう。
陽の傾き、 風の音、 花の香り、
どこかへ捨てたつもりの思い出が、 よみがえるのは唐突で、
在りし日と同じ情景に、 聞こえるはずも無い あなたの声が重なる。
あの日は晴れていて、 遠く臨んだ夕焼けは澄んだ茜色。
群青の闇が濃くなっていくなか、 肌寒さに唇を噛み、
大切なものが失われていくのを、 ただ 何も出来ずに見つめていた。
止めるすべもなく、 無常に季節は巡っていく。
生きている限り、 忘れられないものが思い出なのか、
痛みの記憶が感傷に変わるのを 今も待っている、 祈るように。
淡い秋の夕闇、 金木犀の残り香に、 あなたの面影をみた。
(2007年・筆)
Nago Mitill
君のそばへ行く
あらゆる迷いを越えて
僕は 君と共に生きよう
君を愛するということは
僕にとって 恐怖と等しい
いつか失う 美しき命を前に
僕は 震え 立ち尽くすしかない
できれば遠い空の下から どこかで生きる君の幸せ 祈りたかった
でも 今 あらゆる迷いを越えて
僕は 君のそばへ行く
いつ失われるか分からない命の前に 僕たちは無力で
失ってからでは遅く 生きている今が すべてなのだと
ある雨の日 宵闇へ向かって帰りながら 気付いた
死ぬ時に後悔する そんな思いなら 吐き出すしかないんだ
この声が まだ君に届くうちに
僕は 君のそばへ行く
すべての悲しみや苦しみと引き換えに
僕は 君と共に歩もう
(2007年・筆)
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詩は思いついた時に書いてます。まったくもってノロノロなブログですが、週一更新を心がけております。のんびりご賞味下さい。