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Nago Mitill
青い空を夢見て 目を閉ざし
僕は ずっと待っていたんだ
春が 僕のもとへ やってくるのを
春が来て あたたかな陽と優しい風が辺りに満ちたら
その時 僕は目覚め 大きく花開こうと思っていた
灰色の重い空の下 木枯らしの吹きすさぶ不毛の地の上
僕は ずっと待ち続けた 春が 僕のもとへ やってくるのを
何年もの間 目を閉ざし続けた僕は
現実逃避という名の 長い長い 夢を見ていた
鏡を直視することもできず 斜め向こうの歪んだ自分と目を合わせ
何もかも上手くいかないのは まだ自分のもとに 春が来ていないせいだと信じて
僕は ずっと待ち続けた 春が 僕のもとへ やってくるのを
彼方の青空に憧れながら
僕は ずっと恨み続けていたんだ 春が 僕のもとへ やってこないのを
でも それでは駄目なのだね 人は 花とは違うから
何十年 何百年と雪の下で ひたすら望む春が来るのを待つことはできない
春を待つ傲慢さが 植物である花が持たない 人の可能性を忘れさせていた
僕には 足がある 春を 探しに行くための
人は 花とは違うから
自分で あたたかな地を 目指さなければならないのだね
青い空を信じて 僕は立ち上がる
あたたかな春の地を目指し 灰色の地を旅立つ
僕が 自分を独り閉じ込めていた白い雪を ゆっくり踏みしめながら
(2007年・筆)
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詩は思いついた時に書いてます。まったくもってノロノロなブログですが、週一更新を心がけております。のんびりご賞味下さい。